夏野菜 がゴロゴロたっぷり!6種の野菜の ラタトゥイユ 【 プロが教える おうち イタリアン #7】|kufura [クフラ]
東京都千駄ヶ谷にある隠れ家的イタリア料理店『Bistro Coco 路地裏』のオーナーシェフ・小野宗隆さんに、おうちで楽しむ イタリア料理 を教えてもらう連載企画。
今回は、元気な 夏野菜 をたっぷり使った「 ラタトゥイユ 」を教えてもらいました。主役は夏野菜! ゴロッと大きめに切って食べ応えも満点です。
まとめて作りおきして、冷やして食べてもGood!
夏野菜が安くておいしい季節。そこで今回は、夏野菜をたっぷり使った「ラタトゥイユ」に挑戦。おうちで作る人も多いと思いますが、なんだか味がぼんやりしている、にんじんだけ硬かった……なんていう経験がある人も多いのではないでしょうか? 一体、どうすればお店のように濃厚な味に仕上げることができるのか、小野さんに聞いてみると……。
「ラタトゥイユは水分が多いと味がぼんやりしてしまうので、水分は極力少なくします。鍋ではなくフライパンで作るとより煮詰まりやすく、野菜の旨味がギュッと凝縮されて濃い味に仕上がります。また、いろいろな種類の野菜を入れるため、火の通る時間がさまざまなので、入れるタイミングもポイント。にんじんは早く入れますが、パプリカやズッキーニは後から入れます。
そもそも”ラタトゥイユ”はフランス語で、“地中海野菜のトマト煮込み”という意味。イタリア語では”カポナータ”と言いますが、どちらも同じ意味です。庭先で採れた野菜を使って作るトマト煮込みは、ヨーロッパの家庭料理。日本でいうなら煮物やきんぴらみたいな感じです。
今回は野菜を1つ丸ごと使い切る分量にしてあるので、やや多めにできあがりますが、作りおきして冷やして食べてもおいしいですよ。ぜひ夏野菜のおいしい時期にまとめて作ってみてください」(以下「」内、小野さん)
【材料】(4人分)
にんにく・・・1片
玉ねぎ・・・1個
にんじん・・・1本
セロリ・・・1本
黄パプリカ・・・1個
赤パプリカ・・・1個
なす・・・1本
ズッキーニ・・・1本
オリーブオイル・・・大さじ2、適量
塩・・・小さじ1、2つまみ
トマト缶(ダイスカット)・・・1缶(400g)
水・・・50ml
ローリエ・・・1枚
チキンコンソメ(顆粒)・・・大さじ1
こしょう・・・少量
イタリアンパセリ・・・適量
粉チーズ・・・適量
【作り方】
(1)材料を切る
にんにくは厚めにスライス、玉ねぎは芯を取り、半分に切ってから格子状に切ります。
にんじんはピーラーで皮をむき、両端を切り落としてから薄めの乱切りに。
セロリは葉を取り、硬い筋の部分をピーラーでむいてから乱切りに。
パプリカはヘタを取り、縦4等分に切り、種とワタを取り除いて乱切りに。
なすはヘタを切り、ピーラーで皮を3〜4カ所むいて乱切りに。
ズッキーニは先端を切ってから縦半分に切り、乱切りに。
「ラタトゥイユは、野菜の大きさを揃えて切るのがポイント。野菜の大きさを大体揃えることで食べやすく、見た目もキレイに仕上がります。にんじんは薄めにすることで、早く均一に火が通ります。ズッキーニはヘタ部分も食べられるのでそのまま使ってくださいね。材料を切ってしまえば、あとは煮るだけなので、切る作業だけ頑張って!」
(2)玉ねぎをしっかり炒める
フライパンにオリーブオイルを熱し、にんにくを入れ、強めの中火で炒めます。香りが立って、にんにくが薄く色づいたら玉ねぎを入れ、塩(小さじ1)を振り、玉ねぎの水分と旨味をしっかり出します。
「玉ねぎは旨味のベース。ここでしっかり炒めて玉ねぎの甘味を出すことで、濃厚なラタトゥイユに仕上がります」
(3)にんじん、セロリ、なす、トマト缶を入れ、10分煮込む
玉ねぎがしんなりしたら、にんじんとセロリを入れ、にんじんが透き通ってきたら、なすを入れます。なすがしんなりしたら、トマト缶を入れ、トマト缶をゆすぎながら水50mlを加えます。水はこれだけ!
ローリエとチキンコンソメを入れ、ふたをして10分ほど煮込みましょう。
(4)パプリカ、ズッキーニを入れ、5分蒸し煮にする
10分経ったらパプリカとズッキーニを入れ、沸騰したら弱火にし、5分蒸し煮にします。
「ズッキーニとパプリカは火が通るのが早いので、後から入れます。水分がよく出るので水は極力少なくし、野菜の水分を使って煮詰めていきます。この2つは後から入れることで、色も鮮やかに仕上がりますよ」
5分経ったら味見をし、塩(2つまみ)とこしょうで味を調えます。全体を混ぜ合わせ、ほとんど水分がなくなったら完成です。
(5)盛りつけたら、できあがり!
器に盛り、仕上げにオリーブオイルをかけます。刻んだイタリアンパセリを散らし、粉チーズを振ったらできあがりです!
ひと口食べてみると、味が濃くてびっくり! とにかく濃厚で、なんだか薄いトマト味…じゃないんです。ひとつひとつがゴロッと大きくて、野菜を食べている満足感あり。なすがジューシーで、にんじんも全然硬くなく、それぞれの野菜の旨味を感じます。そしてきっといい仕事をしているのが、最初にしっかり炒めた玉ねぎ。玉ねぎの甘味が全体のおいしさを底上げしているのを感じました。
「コツさえ覚えれば、家庭でもトマト缶で濃厚な味に仕上がります。冬は大根、れんこん、里芋、ごぼうなど、冬野菜で作ってもおいしいですよ」
いかがでしたか? コツが分かりやすいので、おうちでの再現率が高いのも小野さんのレシピのいいところ。好きな夏野菜を入れて、ぜひ試してみてくださいね!
【取材協力】
小野宗隆
軽井沢高原野菜、提携農家の産直有機野菜、無農薬野菜などを中心に使用する洋食店『Bistro Coco 路地裏』のオーナーシェフ。イタリア料理、フランス料理を中心に料理長としてのキャリアを積み上げ、店舗立ち上げやメニュー開発などを多数経験。ソムリエの資格も持つ。kufuraの動画『プロが教える本格パスタレシピ』も人気。
取材・文/岸綾香
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2 Comments
食欲がでますね
かぼちゃ🎃などもあいますか?
それはカポナータでは?