ビスケット

ビスケット, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=23170 / CC BY SA 3.0

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#洋菓子
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#南蛮菓子
クッキーとビスケット ビスケット(英: biscuit)は、小麦粉を主材料に焼いた洋菓子である。
小麦粉に牛乳、ショートニング、バター、砂糖などを混ぜて、サクサクした食感に焼いたもの。
チョコレート、ナッツ、果実加工品などが加えられる場合もある。
左がアメリカ式、右がイギリス式のビスケット 本来の英語圏では日本でいうところのクッキー(英: cookie)と区別は存在せず、英国では両者をビスケットと呼び、米国では両者をクッキーと呼ぶ。
米国のビスケットは速成パンの一種で英国のスコーンに近く、日本ではケンタッキーフライドチキンなどを通して知られている(後述)。
ビスケットの名はフランス語のビスキュイ(仏: biscuit)から来ている。
フランス語でbisは「2」を意味する接頭語もしくは「2度」を意味する副詞であり、cuitは動詞cuire(「焼く」を意味する)の過去分詞形であるため、全体として「二度焼いた」という意味を表す。
さらに遡っての語源はラテン語の「二度焼いたパン」パーニス・ビスコクトゥス(panis biscoctus)より。
これは保存食として作られた堅パンを指し、ビスケットもまた本来は軍隊用・航海用の保存食であった。
現代フランスにおいても、ビスキュイの語には焼菓子のそれと堅パンの両義がある。
なお、Dr. Johnsonの英語辞典(1755年初版)には「遠洋航海用に(保存性を高めるため)四度焼く」との説明がある。
さらにフランスではビスキュイの一種としてサブレー(仏: sablé)と呼ばれるものも存在する。
これはビスキュイ(ビスケット、クッキー)に比べてバターあるいはショートニングの量が多く、よりさっくりした食感のものを指す。
クラッカーもビスケットの一種で、全くあるいはほとんど糖分を含まず、軽い食感のものを特にその名で呼ぶ。
菓子として食べられるほかに、カナッペなど軽食の食材として、また近年では乾パンに替わる軍隊食としても利用されている。
広義にはラスクや乾パンもビスケットに含まれる。
旅行用 行軍や航海などの長期の旅行の際に、栄養価が高く、保存が効き、携帯性のある堅パンとして加工され利用された。
そういった需要からエジプト人は dhourra と呼ばれるパンを、ローマ人は buccellum と呼ばれるビスケットを作った。
長期の旅の場合は、通常2度焼くビスケットを4度も焼き水分を飛ばし、水分が入らないよう保存した。
食べる際には塩水やコーヒー等に漬けて柔らかくしたり、調理してから食された。
医療用 ビスケットは消化に良いものと考えられ、滋養と病気の予防に良いものと考えられた。
医学初期の医者は、そこで更に消化に良くして患者に提供しようと、ダイジェスティブビスケット、アバネシー・ビスケット、バースオリバー などが考えられた。
これらのビスケットは、工夫の効果がないとされた後も菓子として販売されている。
その一方、つわり、乗り物酔いなどの吐き気に対してジンジャービスケットに一定の効果が確認されている。
菓子 もともとは無糖で、質素な層の人間が食べる食べ物であった。
紀元前7世紀になると、ペルシア帝国の料理人は、祖先から卵、バター、クリームを使い軽く、蜂蜜や果物を使い甘くする技術を継承した。
10世紀になると中国から伝来したスパイスが入ったブレッドであるパン・デピスが焼かれるようになり、その余剰分を無駄にしないようビスケットが焼かれた。
日本には、南蛮菓子の「ビスカウト」として平戸に伝えられた。
黒船来航の際には日本人にふるまわれ、好評を得ていた。
日本ではじめてビスケットに関する記述が登場するのは、幕末に長崎で開業していた医師である柴田方庵の日記であり、水戸藩からの依頼を受けビスケットの製法をオランダ人から学び、1855年にその製法書を送ったことが書かれている。
1877年の内国勧業博覧会にあわせ、「乾蒸餅」という日本語訳語が生まれた。
第二回内国勧業博覧会で最高位の「進歩二等賞」を得た米津風月堂(京橋区南鍋町)の米津常次郎は「舶来の大機械をもって苦心のあげく作り上げたビスケットに乾蒸餅なんて名をつけた役人どもの非常識に呆れ返った。せっかく最高賞を得たが、これじゃ宣伝する気にもなれない」と憤慨したという。
日本陸軍が開発・採用した保存食のひとつである乾パンは当初「重焼麺麭」(じゅうしょうめんぽう)と呼称され、上述のビスケットの語源と同じく、回数を重ねて焼かれたパンを意味…

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